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HASTA LA VISTA BABY

『資本主義と自由』を読んで

『資本主義と自由』は1962年にミルトン・フリードマンによって書かれた本です。

僕が一通り読んで印象に残った部分を紹介します。

 

・市場は平等である。

ある特定の宗教や人種はあらゆる不当な待遇を受けてきた(特に経済面で)が、資本主義の発展とともに、上記のような差別は減少していった。中世の農奴は、世襲身分制度から契約関係に変わったときに、解放された。ユダヤ人は商売で生計を立てることによって(市場が存在してくれていたおかげで)中世を生き延びることができた。南北戦争後に黒人の法的な権利は制限されたけれども、財産の私有は禁止されなかったおかげで、黒人の地位向上につながった。

どんな社会でも独占がある分野は差別に続きやすい。しかし自由な競争がある場所では差別は起こりえないのである。なぜなら市場では経済効率が優先され、あるものを買う人は、どの宗教の人が、あるいはどの人種が作ったものなのかということは関係がないからである。なので生産者は出自に関係なく人を自由に雇うことができる。つまり資源を効率的に使うことができるのである。

 

仮に差別をする、つまり個人の好みで雇う人を選択した場合、それをしない経営者より不利な立場に立たされる。なぜなら生産性の低い選択肢を選んでしまうリスクがあるから。

 

・医師免許制による職業の独占の弊害

結論から言うと医療の質を低下させる。

理由は

1)医者の数が少なくなる。

医師免許という参入障壁のせい。

2)重要でない(だれでもできるような)仕事を正規の医師がするはめになる。

何をするにも医師免許が必要ということは些末な事柄でも免許を持った医師が行う必要が出てくる。

3)研究や実験に割く意欲や時間が無くなる。

医療行為を制限し特定の集団に限定して医師免許を与えている。なので限定してくれた権威に従うしかなくなる。

ここで市場原理をもちこむ。不正や過失によって相手を傷つけてしまった場合、法的責任と賠償責任を問われることを前提に、自由に医療をしてもよいとする。そうすることで病院と連携した医療チームの発展を見ることができるであろう。自由参入ということになればパートナーシップ方式と株式会社方式が発展する。市場で評価されなければ長期存続は不可能なので、自然と信頼性と質の向上を意識することになる。

 

最低賃金法

極端な低賃金で労働を強いられることは確かに遺憾に思うべきことだが、ある一定の水準以下の賃金を設定することを違法とすることによって貧困を減らすことができると思うのは間違えだ。逆に最低賃金法は貧困を増大させてしまった。国は最低賃金を法によって定めることができるが、それまで最低賃金以下で雇っていた労働者を最低賃金以上で雇うように雇用者に強制することを国はできない。このことは雇用者の利益に明らかに反するからである。なので結果的に失業者を増やしてしまうことにつながる。職を失うことは最低賃金を受け取ることよりも、受け入れられないはずだ。

 

「市場は常に状況を改善する」という思想が垣間見えました。「市場は私利私欲を追求する集団がはびこっていて、あらゆる格差を生み出しているのは資本主義的な原則だ」という考えは間違えで、常に参入してきたものを平等に扱うし、物質的欲求を追求していては決して評価されないのです。常に誰かの利益となるものを提供することが求められている。ここでいう「利益」というのは誰かが幸せになること全てを指しています。

富の分配に関しても資本主義を導入していない国の方が不平等です。これは本書で述べられている通り。

 

僕は経済学に特別精通しているわけではないので、深い考察はできないですが、それでも『資本主義と自由』は50年以上前に書かれたものですが、今にも通じることがあると感じることができる1冊です。