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HASTA LA VISTA BABY

知って驚く化学①

僕は最近『生きて動いている「化学」がわかる』『生きて動いている「有機化学」がわかる』という本を読みました。これらの本はいわゆる「文系」のために書かれたもので、化学の入門に適しています。読んでいて「これは面白い!」と思ったことを紹介していきたいと思います。

目次

 

1、ハーバー・ボッシュ法

人間を含めた生物は生きていく上で「窒素」が不可欠です。空気中の物質の80%を窒素が占めているのですが、生物は空気中の窒素を直接利用することはできません。

じゃあどうやって取り入れるか。植物は土の中のアンモニア窒素化合物を根から吸収して有機化合物を生成します。そして動物はその植物を食べて、体内で窒素を化合物に変えます。空気中の不活性の窒素を反応しやすい窒素化合物に変えることを「窒素固定」といいます。

そこでハーバー・ボッシュ法が登場しました。これは空気中の水素を強制的に反応させて、アンモニアを作り出すという方法です。人工の窒素固定です。この方法のおかげで化学肥料(つまり窒素肥料)をたくさん供給できるようになりました。つまり食糧生産能力が大きく高まったということです。ただこの方法は条件を維持するのに莫大なエネルギーが必要です。年に5000兆kjです。これは電力のことなのですが、標準的な大きさの発電所が150基必要だと言われています。

しかし、このハーバー・ボッシュ法が人類の繁栄に大きく寄与しているのは確かなことです。

 

2、分子膜で医療が変わる。

 分子には水と仲がいい親水性分子と仲が悪い疎水性分子があります。

しかし、分子の中にはどちらの性質もある両親媒性分子というものがあります。この両親媒性分子を水の中に入れると、親水性(水と仲のいい)の部分は水中に入り、疎水性(水と仲の悪い)の部分は空気中に留まります。両親媒性分子の濃度を高めると、水面にびっしり膜を張ったように見えます。こういう状態の両親媒性分子の集まりを分子膜

といいます。

分子膜の用途の一つがDDS(Drug Delivery System)です。普通の薬剤の副作用は、病変部分だけでなく健常な部分まで攻撃してしまうことです。しかし、DDSは分子膜でできた袋(リポソーム)の中に薬剤を入れて、同時にリポソームに病変部位に積極的に近づいていく(親和性のある)物質をくっつけます。そうすることで病変部位に薬剤の入ったリポソームが近づいていき、そこに留まります。薬剤が局部に集中的にはたらきます。

このリポソームは新しい抗がん剤として注目されています。

この膜にタンパク質親和性の分子を埋め込んだダミー細胞を作ります。このダミー細胞ががん細胞の細胞膜たんぱく質に近づくと、ダミー細胞に移動します。結果的に細胞膜たんぱく質を消失して、死に絶えます。つまりガンが治癒するわけです。

 

この記事では2つ挙げました。化学の知識を紹介していくのをシリーズ化していきます。