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『夏の終わり』からみえる不倫関係

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『不機嫌な果実』からはじまり「不倫」をテーマにした小説にはまっています。

 

今回はTwitterにて「不倫」をテーマにした小説を紹介してもらうということをやり、さっそくご紹介いただいた『夏の終わり』(瀬戸内寂聴著)を読みました。

いたる@サラダバーのお兄さんいたる@サラダバーのお兄さん 6/23ジャックナイト参加🍅 (@ichikawaitalu) | Twitter)さんからご紹介いただきました。

『夏の終わり』

 

作家の瀬戸内寂聴が出家前の「瀬戸内晴美」時代に発表した小説で、自身の経験をもとに年上の男と年下の男との三角関係(さらには、年下の男の妻も含めた四角関係)に苦悩する女性の姿を描いた作品。この作品に登場する年上の男の実在のモデルは作家の小田仁二郎であり、年下の男のモデルは、寂聴が女子大時代に見合いで結婚した結婚生活を破綻させることになった相手であり、そのときの夫の教え子であった[1]

夏の終り - Wikipedia

さて、イケイケだったころの瀬戸内寂聴さんが自身の体験をもとに書いた小説ということで、どんなドロドロした展開が待っているんだろうと思っていましたが、読後感はサラッとしていました。 

心の不倫であった

『不機嫌な果実』などの不倫をテーマにした小説でよく描かれるような「性描写」は基本的にありません。

あらすじにも書いてある通り、知子を中心として、慎吾という妻ありの男と凉太という男との関係を描いた作品なのです。

 

体の不倫に重きを置いているのではなく、心の不倫が中心となっています

慎吾がいるのにもかかわらず、凉太のもとに行き、凉太がいるのにもかかわらず、慎吾のもとに行く。

その間でゆれうごく知子の複雑な感情を情緒豊かに描いているのです。

 

慎吾の妻は知子の存在を知っていて、そのうえで8年間も慎吾は知子と半同棲をしているのです。

この小説は1966年に出版されたれていますので、時代感覚が違うのでしょう。

今の多くの女性はこんな状態許してくれませんよ。昔もそうかもしれないけど。

 

そんな三角関係の中、三流広告代理店につとめる凉太も加わるのだから、傍からみたら「地獄絵図」そのものなんですけど、使われている日本語がキレイなので、そういういやらしさは感じないのですよ。

個人的に一番盛り上がった部分は・・・

慎吾の妻から慎吾へ送られた手紙を知子が読んだときが一番「キツイなぁ・・・」と思いました。

お互いのことは知ってはいたけど、今まで意識をしていなかった。

しかし、手紙を読むことによって慎吾と奥さんの普段の生活がかいまみえてしまいます。

 

自分が愛している人が奥さんと何気ない日常を送っていることが強制的に意識されてしまうという体験はキツイですよね・・・

「不倫はそもそもよくないこと」という事実はこの場合度外視しています。

 

個人的な考えを抜きにして、知子という1人の女性の立場になって考えるとなんとなく嫉妬感をいだいてしまいますよね。

 

そして、知子が慎吾の家にあがりこむ場面もにたまに手紙を読んだときと似たような感情を抱くことになります。

もちろん慎吾の妻はいないときにあがりこんでいるんですけど、臭いや妻の服がかけてあるところをみるとやっぱり意識しちゃいますよ、普段の生活を。

「自分の立場」に酔いしれ、おぼれるのだ

『不機嫌な果実』でもそうでしたが、男女問わず不倫をする人は「不倫している自分」に酔っています。

「スリル」「陶酔」があるから「不倫」は気持ちがいいということですね。

 

自分の自己承認欲求と肉体的な快楽を同時に得ることができるという体験はきっと病みつきになるなのでしょう。

そして歯止めがきかなくなって、情欲におぼれていくのです・・・

 

「不倫」は考えれば考えるほど面白いテーマだし、小説を通してもっと知りたいですね。