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日本で1番「経験豊富」な男です

『朝が来る』は心にくる

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僕にとって124冊目となる『朝が来る』の感想になります。

 

『朝が来る』のあらすじ…

片倉ひかりは中学生の時に、当時付き合っていた巧と性行為をしたのち、望まない妊娠をしてしまう。その後、ひかりの父母が紹介してくれた『ベビーバトン』と呼ばれる特別養子縁組団体によってひかりの授かった子供はとある夫婦に引き取られる。とある夫婦の夫清和は無精子症という病気であり、改善の見られない治療の末、特別養子縁組を組むことになり、ひかりの産んだ子供を引き取ることになる。そんなある日、片倉ひかりと名乗る人から「子供を返してください」と言われるが果たして…。

朝が来る - Wikipedia

 本記事の内容

・特別養子縁組の現実

・望まない妊娠の果て

・子どもはみんなで育てようと思う

特別養子縁組の現実

特別養子縁組とは

児童福祉のための養子縁組の制度で、様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた。

特別養子縁組 - Wikipedia

本作は「特別養子縁組」をおもなテーマとした小説です。

あらすじに書いてあるとおり、ある夫婦の夫は「無精子症」であり、子どもを自然受精によってはつくることができない状態でした。

 

様々なドラマがありましたが、養子をとることに決めて「ベビーバトン」という民間事業者をとおして男の子を育てることになりました。

 

この「特別養子縁組」ですが、そう簡単に養子をとれるわけではなくいくつか条件があります。

僕がTwitterで投稿した文章をみて下さい。

 

よく「普通の子」を欲しがる夫婦が多いようなのですが、養子になっている時点で「普通」ではありません。

なんらかの家庭の事情が背景にはあります。

 

そして性別について選り好みしないこと。

これは妊娠して出産する場合と同じで、性別は選ぶことできないですからね。

 

そしてこれも妊娠して出産する場合と同じなのですが、仮に重度の障害や疾患があったとしてもしっかり育て抜くことです。

 

最後が出産する場合と大きく異なる部分なのですが、いつかは子どもに「養子であって産みの親は別にいること」を知らせなければいけないのです。

 

以上のような条件に承諾したうえで養子をとることができます。

もちろん他にも確認すべき点があると思いますが、小説の中で語られていたことは以上のような条件でした。

望まない妊娠の果て

産みの親であるヒカリは中学生のときに付き合っていた男の子と性行為をして妊娠をしてしまいます。

とうぜん、当時のヒカリには母になる覚悟はないし、母親も激怒してしまいます。

 

理解をしてくれない母はヒカリの子どもを養子に出すことを決めます。

養子に出したあとも母のヒカリに対する信用はいっさい回復しません。

 

親戚らの信用も最低レベルまで落ち込んでしまい「普通の子だと思っていたのに…」などの軽口を叩かれたりしてしまいます。

 

ヒカリはその後、家を出ていき一人で新聞配達のバイトなどをしますが、借金の保証人にさせられ取り立てに追い掛け回されたり、返す必要のない金を返そうと店の金を盗んだりしました。

 

あげくの果てには子どもを養子として引き取ってもらった夫婦のところに行って「子どもを返してほしい。返せないならお金を要求する」という強迫までしてしまいます。

 

「望まぬ妊娠をする果て」というのは人ぞれぞれ違うと思いますが、両親に理解してもらえないと最悪こういったこともありえるということですね。

 

でも、ヒカリの母のように「望まぬ妊娠」を断固として許さない姿勢はどうなのでしょうか。

子どもはみんなで育てようと思う

もし僕に娘がいるとして、その娘が中学生で妊娠をしてしまったとしても僕は怒らないでしょう。

そのときは家族みんなで育てていきます。

 

「子どもは産んだ本人たちが育てていくべきだ!」という主張は少々古いような気がしています。

子どもは社会、もっと主語を小さくするのであればコミュニティが育てていくようになります。

 

夫婦共働きをしながら子どもを育てるというのは負担が大きすぎるので、子育てをシェアするのです。

 

その一環で、中学生がなにかの拍子に子どもをつくってしまったとしてもコミュニティが育てるようにすれば、大きな責任を中学生に負わせる必要はないですし、何よりも不安に思っているのは妊娠した本人だと思うので、その不安を取り除ける仕組みをつくっていきたい。

 

ここで「そもそも中学生が妊娠するのはけしからん!」というのはお門違いです。

というのも妊娠をしたあとに責めても仕方ないので、次の手を打つべきなんですよ。

 

ただこれは「自由に妊娠していいよ!」という話ではなく、苦労をすることは確かなので、性教育の充実をはかることが先決かと思います。

 

こういったことを考える機会を設けるのに『朝が来る』は教材にピッタリだなぁと思いました。