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『もういちど生まれる』は多視点的な小説

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僕にとって126冊目となる『もういちど生まれる』の感想です。

 

『もういちど生まれる』のあらすじ…

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と変える翔多。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。

*『もういちど生まれる』の裏表紙から引用

 本記事の内容

・多視点的な小説

・大学生ならではの感受性

多視点的な小説

僕は朝井リョウさんの作品がけっこう好きで、『何者』や『スペードの3』などの作品を読んだことがあります。

大学生の若々しく、少し自分たちが分別のある大人だと思っている感じを上手く表現している作品が多い印象です。

 

こういう作品が書けるのは朝井リョウさんが平成生まれであるからだと思います。

同じ平成生まれである僕はとても腑に落ちるのです。

 

さて、本作は誰か一人の視点で描かれてはおらず、様々な大学生の視点で描かれています。

それぞれが別個のストーリーではなく、どこかで他の学生とつながっているという不思議な作品です。

 

人間ってどうしても自分の視点で物事をみがちなんですけど、間違えなく他の人もいろいろなことを考えていて、それぞれがそれぞれの思いを隠したり、隠しきれなかったり、隠していると思ったらバレてたりする。

 

本作ではその思いがグラデーションとなって見事な青春小説を作り上げています。

ただ、登場人物は大学生でまだまだ他人への想像力が足りず、自分の主義主張を何が何でも通そうとします。

 

それゆえ人を傷つけたり、他人からみたら大したことではないけど、真剣に悩んでしまったりするのです。

そんな「若々しさ」がいろんな人の視点で描かれています。

大学生ならではの感受性

すでに書いていますが、本作では大学生ならではの感受性というものが表現されています。

僕たち社会人はもう忘れかけている、わがままで自分を中心に世界が動いていると思っていて、少し自分は大人だと思っていて、けっこう簡単に傷ついてしまうあの時代。

 

普通に大学を卒業して会社に入って数年もしたら忘れてしまうあの感覚をすごくリアルに描ききれるのは朝井リョウさんならではだと思いますね。

 

社会人になって大学生の感覚を忘れてしまっていて、思い出したい人にはおススメです。

もちろん大学生にも自分を客観視する目的で読むのもいいでしょう。