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『イノセント・デイズ』冤罪の暗さを物語る小説【ネタバレを含みます】

*2018年10月21日に更新されています

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僕にとって139冊目となる『イノセント・デイズ』の感想を書きます。

『イノセント・デイズ』

 

『イノセント・デイズ』のあらすじ…

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。日本推理作家協会賞受賞

 本記事の内容

・冤罪で極刑になった例

・報道だけで判断してはいけない

冤罪で極刑になった例

日本では実際に罪を犯していないのにもかかわらず、死刑判決をいいわたされた例がいくつかあります。

例えば「袴田事件」です。

bunshun.jp

殺害された被害者のつとめていた会社の従業員であった袴田氏が逮捕され、1980年に死刑をいいわたされましたが、2014年に釈放となった一件です。

この「死刑囚の釈放」は48年ぶりであり、かなり話題になりました。

 

長年、収容された影響で自分を「23歳」と認識していたり、「自分はローマ法王だ」という言葉を発するようになってしまっています。

 

もし自分の立場であったらと思うとかなりキツイですし、そんなに長く収容されるぐらいだったらいっそ処刑してくれと思ってしまいそうです。

 

今回の小説で放火殺人事件でその責任をとることになった田中幸乃は結果的に冤罪で死刑宣告をされ、実際に刑が執行されてしまいます。

 

しかし、彼女は死ぬことをよしとしていました。

小説で語られる彼女の人生はうまれたときから壮絶なもので目を覆いたくなるようなことばかりがおきます。

 

そんななか、最後の頼みとなっていた男に暴力をふられてまでもしがみついていたのに裏切られてしまいます。

まぁその男の妻になった人とその子どもが放火で亡くなるんですけど。

 

生きる意味を失っていた時に死刑判決なので、本人にしてみれば願ってもないことなのでしょう。

 

報道だけで判断してはいけない

小説では報道で田中幸乃が報道され、陰気な雰囲気から「いかにもだよねぇ」と言われてしまったり、彼女の過去の経緯から勝手に放火の動機を断定されたりします。

 

こういうことって小説だけじゃなく、実際に起こりますよね。

何も知らないのに雰囲気とか偏向報道とかでまんまと騙されて、なんも裏づけのないことを理由にして何かの判断をする人。

 

実際、犯罪をおかして死刑になった人でも勝手に断定して「いかにもだね」という判断は下したくないものです。

基本的にこんなこと当事者と国が判断をくだすことなので、何も関係ない人は、この件ついてとやかくいう資格はないわけですよ。

 

ということを小説を読んでいて感じました。